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美化せず貶めず [漫画]

 えーと、「はだしのゲン」問題を各紙の社説でとりあげたりしているんやけれど、朝日新聞のように美化し過ぎたり、産経新聞のように(社説ではなく論説委員の署名記事やけれど)天皇否定のセリフをとりあげて「子どもに読ませるのにふさわしくない」と否定してみたり、なにかピントが外れているなあ。
 あれは戦中戦後の広島という、現在の我々から見たら異空間にも等しい状況で、人間のもつ醜い面を徹底的にさらけ出した漫画で、反戦平和のバイブル的にもちあげるものでもないし、子どもに思想教育をほどこすものでもないと私は思う。
 だいたい主人公の中岡元というのはちゃんと母親が生きているのに戦災孤児のふりをして大人から金を巻き上げたりするような、どう考えても悪ガキ以外の何者でもない。正義感は強いけれど、良い子では決してないのね。
 私は小学生の時に「少年ジャンプ」の連載時にリアルタイムで読んでいたりするんやけれど、私にとっては(あの泥臭い絵柄も含めて)ホラー漫画みたいな感覚で読んでたもんなあ。平和の尊さよりも、時流に乗って行き方をホイホイ変える代議士やとか、ゲンの生まれたての妹をさらって天使のように崇める被災者たちやとか、人間の愚かさをこれでもかこれでもかと見せつけてくれた。
 そやから面白かったのですよ。そして、そういう人間の本質的なものを飾らずに提示してくれたからこそ、「はだしのゲン」は説教臭くなく「平和」や「戦争」について考えさせられたのですよ。
 あれはね、右翼とか左翼とかそんなせせこましい思想をこえた根源的なものを、中沢啓治さんが子どもだましみたいなことをせずに描き上げたから名作やと思うのですよ。
 とにかく「子どものため」を隠れ蓑にして自分の都合ばかりを主張するのはやめてほしいなあ。

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