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エリンとバルサ [読書全般]

 お山の学校では二次募集の合格発表があり、すぐに合格者説明会。私は奨学金についての説明などをする。午後からは新年度に向け、大学予約奨学金の書類をチェックしたりする。書式が大きく変わったので、去年まで使うていた書き方の見本などのプリントも一新せんならんな。なるべく早めにかかることにせねば。
 今日は定時に退出。帰宅して録画したアニメを見たり読書したり。
 上橋菜穂子「獣の奏者 IV 完結編」(講談社文庫)読了。人間と自然のかかわりというのが大きなテーマとしてあるんやけれど、そこに人間はなぜ戦うのかというもうひとつのテーマを重層的に設定しているので、物語に深みが出ている。私は同じ作者の「守り人」シリーズの主人公、バルサと、本書の主人公、エリンを対比させながら読んでました。戦うことでしか自分というものの存在意義を見つけられずにいたバルサと、戦うことに対して懐疑的なエリン。家庭というものの暖かさを知らずに育ったバルサと、自ら犠牲になってエリンを守った母や、実の子以上に愛情を注いでくれた育ての親ジョウンの愛を受けて育ったエリン。全く正反対のように見える二人なんやけれど、実は自分のことよりまわりの人のことを優先させるという共通点があるのですね。上橋さんは正反対の人物として描いていったんやろうけど、無意識のうちに同じ行動原理を持つ主人公の物語を綴っていったんやないかと感じた。それがいかんというわけやないのです。ただ、そこから思うに上橋さんは感性の作家やねんな、と。バルサの養父ジグロと、エリンの夫イアルもなんか重なるものがあるしね。これもわざと重ね合わせているんやなくて、自然とそうなってしもうたんやないかな。
 そういう意味で上橋菜穂子という作家の特質を探る上で非常に興味深く読めた作品でありました。

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