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吉田秀和の死 [追悼]

 音楽評論家吉田秀和さんの訃報 に接する。享年98。死因は急性心不全。
 クラシック音楽の聴き手ならもちろん吉田さんの文章を読んだことのない人はいてへんやろう。クラシックファンを自称していて「それ誰?」てなことを言う人は信用してはなりませんぞ。
 その文章は明晰で、膨大な知識や経験に裏付けられていて、品格があって、文学性の高いものやった。そんな文章なんか書けるはずがないとおっしゃる方は、なんでもええから吉田さんの本を一冊読んでごらん。
 大正生まれで帝大出。日本の最も上質なインテリゲンチャーの姿がここにはあった。というか、インテリゲンチャーとはどういうものかと問われたら、吉田さんの存在を見ていただいたらそれでよかったというべきやろう。
 私がちゃんと吉田さんの文章を読めるようになったころにはもう相当なお歳やったはずなんやけれど、その文章のみずみずしさには驚かされた。他の音楽評論家が、フルトヴェングラーがすごいクナッパーツブッシュがすごいワルターがすごいトスカニーニがすごいというても、そのほとんどが録音を通じてしか知らんのに対して、吉田さんの場合は若き日にドイツに留学して生の演奏を聴いてはったりするんやから、そら勝てまへん。
 私程度の文章力でこの巨人のすごさを表現することはでけへんのやけれど、例えば「世界の指揮者」という本を読んでみてほしい、その批評眼の鋭さ、そして音楽そのものに対する愛あるまなざしを感じとれること間違いない。
 再度書く。インテリゲンチャーというのはこういう人のことをいうのであり、趣味人とはこういう人のことをいうのであり、現代日本では到底こういう人物を生み出すことはでけんやろう。
 謹んで哀悼の意を表します。

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あずま

最近はFM放送そのものを聴かなくなったのでご吉田さんの声には無沙汰してました。ネットでたまには聴いてみるかと思っていたやさきなので残念です。合掌
by あずま (2012-05-28 09:19) 

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