So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン
読書全般 ブログトップ
前の10件 | -

常識的で何か問題でも? [読書全般]

 お山の学校では、昨日から2年生が修学旅行にいっていて、校内は少しばかりさびしい。1年生と3年生は懇談週間で、午後は授業カット。それだけ事務作業もはかどる、といいたいところやけれど、昨日は人ごみの中に出ていたせいか疲れが残っていて、スローペースです。
 というても、今日までにはしておかんならん最低限の仕事はやった。明け方に降った雨のせいか、お山の仕事部屋は底冷え。ストーブをつけ、背筋を暖めながらの作業。懸案の一つやった教材の改良などを行う。印刷をして、明日に備える。
 鼻をぐずつかせながらトローチをなめなめ定時に退散。帰宅後は例によって録画した相撲を見る。あらら、炎鵬も翔猿も照強も負けとるがな。いずれも軽量をつかれての敗戦。小兵力士はひとつ間違うと一気に持っていかれるからなあ。幕内は貴景勝が1敗を守る。2敗でついていっている高安とはまだ当たってへん。取組編成をする審判部もどこらへんで当てるかを計っているのかな。13日目くらいにもっていって盛り上げるつもりと見た。
 それくらいの演出をせんと、今場所の幕内は盛り上がりに欠けるからなあ。
 内田樹「常識的で何か問題でも?」(朝日新書)読了。アエラ誌に連載している巻頭時評をテーマ別に並べ直してまとめたもの。ここ数年の時代の動きを内田流に解説。内田さんはもっと早くしんぞう政権が倒れると予測して時評を書いているのに、なぜか政権はまだ何とか命脈を保っている。そのためこと政治に関しては同じことを繰り返して書くはめになってつまらないとあとがきで嘆いていらっしゃる。そやけど、おかしいものをおかしいと訴え続けていただくことはとても大切なことなのです。災害への備えは、その災害が起きなければ無駄な出費に見えてしまいカットされてしまうけれど、それを無駄と思わないことが大切であるなど、今回もなるほどとうなずきながら読んだ。こうやって時々内田さんの本を読んでは、自分の立ち位置を確認していないと、流されていってしまいそうになる。それが恐ろしいのです。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

全国マン・チン分布考 [読書全般]

 今日は「たちよみの会」例会。午前中は例によってテレビを友とし、昼前には出立。家を出る前に古参Y氏から欠席連絡がきていたので、今日はひとりかなあと思いつつ、「フランソア喫茶室」に。行楽シーズンとあって店は常に満員。私も席に案内されるまで少しばかり待たんならんかった。
 誰かひょっこり来てくれんかと思いつつ、読書。誰も来そうにないのと列をなして席が空くのを待つ人たちの圧力もあり、30分ほど早めに切り上げて「丸善」へ。文庫、新書を何冊か買い、早目に帰阪。
 帰宅して録画した相撲を見る。幕下の翠富士は豪快なすくい投げで相手を一回転させる。十両では1敗同士で当たった炎鵬と翔猿が技の応酬。ちょっとした間合いの差で炎鵬が翔猿を投げる。照強は大翔鵬に対して猫だましからもぐって足取り。石浦は真っ向勝負で寄り切り。いやあ今場所の十両はほんまに面白いよ。
 松本修「全国マン・チン分布考」(集英社インターナショナル新書)読了。「探偵!ナイトスクープ」の依頼でかつて「全国アホ・バカ分布考」という研究を成し遂げた著者が、同じころに依頼を受けた女陰と男根を表現する言葉の地方別分布を、前回と同様の方法で解き明かしていく。今では卑猥な言葉として使われる女陰語も、もとは京都の宮中の女官たちの言葉からきているのではという推理を証拠立てていく。調査の過程もドキュメントとして細かく記しているので、謎が解き明かされる様子が手に取るように分かる。
 言語学者や辞書編纂者が手を出さなかった陰部に関する言葉を徹底的に調査したというだけでも、本書の価値は高い。幼子の女陰を饅頭にたとえて親しみをこめて使うた女官たちの言葉が、今では卑猥な言葉として放送コードにひっかかってしまう。語源をたどることにより、雅語としての「おまんこ」「おめこ」のすがたが明らかになっていく。著者の筆はこれらの言葉に対してちゃんと向き合うてこなんだ言語学者たちへの批判や、「まら」の語源をちゃんと調べもせずに一部の俗説を掲載し続けている辞典編纂者への批判へと向く。そこには古代から尊ばれてきた女性という性への畏敬の念がこめられている。23年前に番組に依頼を出してきた女性に、完成した分布図を渡すくだりなど、西田敏行局長ならハンカチを出して目元をぬぐうているんやないかな。
 とにかく労作。書き方や構成に対する批判もあるかもしれんけれど、誰も手をつけてないことをやったという、それだけで値打ちですわ。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

雪の夜明け [読書全般]

 今日は月例の京都の医者行き。いつもより少し早目に出立したら、電車の乗り継ぎもよく、予約時間よりもかなり早めに到着。待合の患者さんの人数も少なくすぐに私の名が呼ばれ、帰路の乗り継ぎもよく、思うてたのより早く帰宅できた。
 今日はタイガースの今季最終戦。2時試合開始やから、帰りの電車の中でスマホで試合を見ながら帰ることになるかなと思うていたけれど、帰宅して試合開始直後のところだけスマホでつまみ見をして、あとはMBSラジオで聞く。ええところだけスマホで映像を見るというやり方で、パケット料金を節約。延長戦の末、金本監督最後の試合を勝利で飾った。それに今日の深夜のABC「虎バン」でダイジェストはたっぷり見せてくれるやろうしね。
 試合終了後は妻と録画したアニメを何本か見る。夕食後も引き続きテレビに向かう夫婦でした。なんというか、仲のええことで。
 岡篠名桜「雪の夜明け 浪花ふらふら謎草紙」(集英社文庫)読了。シリーズ3巻目。主人公さとを捨てた父親についての手がかりが見つかる。それに付随して起こる事件は解決するんやけれど、肝心の父親についてはほとんどわからない。ここらあたり、著者も書き慣れてきたのか、読者をうまくひきつけるテクニックがだんだんうまくなってきている感じがするね。本巻から登場する「御隠居さん」もまた、さとにかなり興味を抱いているようで、おもしろい存在になりそう。全5巻の半ばを折り返し、さとのキャラクターもかっちりしてきたけれど、1話ずつは面白くてもどういうところでけりをつけようとしているのか見えにくいのはシリーズとしては少し弱いかなという気もする。どういう形でかんけつするのか、楽しみなような不安なような。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

不死身の特攻兵 [読書全般]

 今日は午後から人権教育交流会に出席。会場はあの北野高校。手塚治虫先生の母校である、伝統校であります。交流会は同窓会の会館で行われたんやけれど、なんですねえ、金かかった建物ですねえ。これくらいの伝統校ともなるとOBもビッグネームが多く寄付とかで資金が集まるのやろうな。校舎には入ってへんから、お山の学校との比較はでけへんけれど、設備もきっとええんやろうねえ。ゼロサム先生もここに通うていたんか。いろいろと思うところあり。
 交流会では中学校や小学校、支援学校の先生と話をすることができていろいろと勉強になった。やはり引きこもって仕事をしていてはいかんですよ。
 鴻上尚史「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」(講談社現代新書)読了。特攻本まとめ読みも3冊目。本書では陸軍特攻隊の一番手として出撃し、9回出撃して9回生還したという佐々木友次さんを中心に、現場の練達の飛行士たちが特攻についてどう考えていたかを明らかにしている。佐々木さんは最初の出撃では爆弾を落として帰還している。その方が飛行士の技術と貴重な戦闘機を無駄になくさずにすむからなんやけれど、上官はヒステリックに死んでこいと何度も出撃を命じる。エンジントラブルで飛行そのものができなくなったり、途中で不時着したりを繰り返し、佐々木さんは生き残る。故郷では2度、戦死したと連絡が行き、その度に葬式を出している。新聞は「軍神」とほめたたえる記事をでかでかと載せる。終戦直前になると、上官は自ら佐々木さんを殺そうとしていたというから恐ろしい。「軍神」として天皇に奏上したのに、生き残られると困るのである。「戦死」したはずなのに、実は上官に成敗されてたなんて、あんまりな死に方やないか。
 著者は幸運にも生前の佐々木さんにインタビューすることができ、貴重な証言を残してくれた。なぜ生きのびたかという著者の質問に「寿命があったから」と答える佐々木さん。同じ条件で死んだ戦友たちが数多くいる中で、自分は何度も出撃したというのに死ぬことができなんだ。何か人知を超えた力が自分を生かしたと思うても不思議やない。人にはそれぞれ「寿命」が決まっていて、戦友たちのそれは20年ちょっと、そして自分のそれは80年を超えるものやった、と。何度も死線をくぐりぬけて生き残ってしもうた人にしかわからん境地があるんやろうなあ。
 多くの資料をもとに「特攻の真実」を残そうとする著者の熱い思いがひしひしと伝わる一冊でした。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

特攻隊振武寮 [読書全般]

 今日の帰り、阪急電車は人身事故の影響でダイヤが乱れ、いつもなら乗り換えんでええ駅で乗り換えたり、乗り継ぎで待たされたり。むろんプロ野球の試合は始まっている。駅で待っている間は駅のWi-Fiサービスを活用できるのでスマホで中継を見る。
 問題は帰宅してからで、いろいろ考えた挙句、ラジオとの併用というのを思いついた。試合を全部見ようとするからパケット料金がかかるのです。これまで同様ラジオで試合の様子を追いながら、チャンスの場面やピンチの場面の時だけスマホで映像を見るのです。イニングの間の選手交代の時間などにまでパケット料金を使う必要はないのです。もっともラジオをかけながら寝床で横になっていたら疲れから居眠りして逆転された場面はリアルタイムでは見逃したんやけれど、データでの中継なんで、点を取られたイニングまで戻して見たりもできる。
 明日からのナイターはBSやサンテレビで中継があるし、甲子園の試合やとまた「虎テレ」が無料視聴にしてくれる可能性があるので、ビジターの試合はこれでいこう。
 大貫健一郎・渡辺考「特攻隊新武寮 帰還兵は地獄を見た」(朝日文庫)読了。「特攻」について考えるための本第2冊目(あくまで私にとって、です)は、がたがたの機体に乗って特攻を果たせず帰還してきた兵士の証言。大貫氏は歌手大貫妙子さんのご父君。機体のトラブルで不時着し、なんとか生還したのにもかかわらず、再出撃はならず、福岡に設けられた「振武寮」に連れていかれ、そこでクズ扱いされる。実は特攻隊に選ばれた時点で死亡届も出され、生きていてもらっては困る存在になっていたのですね。実は「振武寮」については映画「月光の夏」に登場していたので、一応知ってはいたけれど、ここまでひどい扱いを受けていたとは知らなんだ。大貫氏の証言をNHKスペシャルのディレクターである渡辺氏が再構成し、「特攻」についての解説を付け加えている。テレビの番組を書籍という形で残すのはNHKスペシャルなどで多く行われているけれど、本書の親本はしばらく絶版になっていた模様。文庫化して再び日の目を見たことは喜ばしい。
 本書ではちゃんと飛行訓令を受けた学徒兵士たちの当時の本心がはっきりと吐露されているという点でも価値がある。本書を読めば、特攻隊を美化なんて絶対出けへんはず。誰が喜んで死ににいくものか。それを軍神の何のと美化して最悪の作戦を最高の作戦であるかのように見せかける愚劣さ。死にたくない者が「死にたくない」と言えない愚かしさ。生き証人の言葉には死んだ仲間たちの分もという思いがこめられ、ずしりと響く。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

特攻の真実 [読書全般]

 大相撲小言場所「秋場所をふりかえって~白鵬幕内1000勝で全勝優勝~」 を更新しました。

 昨日までの疲れのせいか、朝、深夜アニメを録画見たり日曜朝の「ライダー」「戦隊」を見ていても非常に眠く、ひととおり見たあとすぐに寝床に。昼食をとりに起きて、また寝る。
 夕刻、プロ野球中継と大相撲中継を録画で見る。金本監督はなんであそこで青柳をかえるかなあ。負けられない一戦とはいえ、あそこを自力で乗り切られせてこそのチーム強化でしょうが、とぶつぶつ言いながら見ていた。相撲は優勝がもう決まっていたので、比較的冷静に見てました。来場所は千秋楽での優勝決定を見たいものです。
 大島隆之「特攻の真実 なぜ、だれもとめられなかったのか」(幻冬舎文庫)読了。NHKスペシャルのディレクターによる、番組の書籍化。本という形で残すにあたり、番組には盛り込むことのできなかった証言なども加え、より充実させたものになっているという。しんぞう総理と忖度の問題が表面に出たり、ゼロサム先生のデマゴーグ政治、米国大統領の気まぐれ政治などを見るにつけ、「今は戦前なんやないか」という思いが強くなってきた。そこで「特攻」に関する文庫や新書を何冊か買い、まとめて読むことにした。本書は(私にとっての)第一弾。副題の「なぜ、誰も止められなかったのか」に本書のテーマがある。止められんのである。そういう「空気」が醸成されてしまうのである。その「空気」を乱す者は非難され、「非国民」とされる。そういう時代が確かにあったんや。21世紀になり、「反日」という言葉で攻撃を行う人々が目立つようにってきた。「反日」が「非国民」になる前に、「特攻」を「おかしい」とはっきりといえるようにしとかんとあかんし、そのためにも本書のような貴重な証言や記録をしっかりと読みこんでおかんならんと感じた次第。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

学習雑誌付録の罪 [読書全般]

 昨日の深夜は録画した相撲中継を見てから1時半に就寝。4時45分のアラームで起床。ほんま仮眠です。
 今日から前期末考査。1時間目から試験監督が入ってて、眠くて眠くて困る。自分の持ち科目である日本史の試験時には廊下監督。やはり眠くて眠くて困る。
 昼食後、15分ほど仮眠。これで少しすっきりし、連休明けにある倫理の試験問題の作成と印刷をなんとかすませる。
 朝から雨天。昼前にはあがり、帰宅時にはぱらぱらときはじめたけれど、大阪市内に戻ると曇天のまま。帰宅後、相撲とプロ野球中継の録画を見る。相撲は白鵬が稀勢の里を下して13連勝。さあて、このまま千秋楽まで行くのかな。野球は今日も雨天の中強行。試合消化が最優先とはいえ、選手たちの体調管理は大丈夫なのかなあ。試合中2度の中断もあり、昨日ほどやないけれど今日も10時くらいまでかかる。毎日こうやとほんまきつい。
 江戸川乱歩・編「世界推理短編傑作集 2」(創元推理文庫)読了。小学生のころ、学習雑誌に付録としてついていたトリッククイズの元ネタが何本か。子ども向きの冊子1~2ページほどで傑作短編のトリックの種明かしをされたんではたまったもんやないなあ。ぼろぼろになるまで読み返していたから、元ネタの短編を読むと子どもの頃の記憶がすぐによみがえってくる。小学館さん、著作権違反で訴えられなんだんかな。
 もちろんトリックがわかっていても、舞台背景や展開などは今回読んで初めて知ったわけで、トリックだけがミステリやないと感じた次第。3巻はいつ出るのかな。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

根本陸夫伝 [読書全般]

 愛すれどTigers「マツダスタジアムでカープに連勝」を更新しました。

 昨夜からの雨がやまず、傘をさして出勤。昼ごろに上がる。お山の仕事部屋は多少湿気ていたけれど、室温は低く汗もほとんどかかず。快適に仕事を進める。ただし、今日は空き時間がほとんどなく、明日の授業準備を少しした程度であとは授業と会議。
 帰宅して録画した相撲中継を見る。稀勢の里は貴景勝に押しこまれながらもびくともせずねじ伏せる。御嶽海も危なげない相撲で連勝。栃ノ心も力強い相撲で連勝。横綱大関みんな勝つ。そうそう、こうやないとな。
 高橋安幸「根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男」(集英社文庫)読了。単行本の刊行時からずっと文庫化を待ち望んでいた本。カープの監督として衣笠、山本浩、水谷、三村といった選手を鍛え上げ、初優勝の下地を作り、ライオンズの監督、管理部長ではトレード、ドラフトで大胆なチーム改造をして広岡監督、森監督の黄金時代を支え、ホークスの監督、球団取締役でも王監督の招聘、思い切ったドラフト戦略で最強軍団を作りあげた、人呼んで「球界の寝業師」、根本陸夫。著者は根本に関わりのある人々にインタビューをして、この多面的な人物の姿を浮かび上がらせる。誰もが根本の凄み、情熱、怪人ぶりを称賛する。ジャイアンツ人気に頼っていた球界地図を最終的には書きかえたという功績は大きい。ただ、読んでいて気になったのは称賛する人たちばかりなところ。例えば最終的に衝突した広岡監督などからも話を聞いてほしかったし、根本の暗黒面にももっと切りこんでほしかった。また、カープの監督をやめた後、ABCで解説をしていたんやけれど、その時代のエピソードはほとんどない。よく組んでいた植草アナにその時代のことを聞けば、欠落した部分が埋められたんやないかと思う。単行本未収録やった中学時代の友人や家族の証言が加わっているので、そこらあたりは文庫化されるのを待っててよかったかな。それにしても根本絶賛本みたいになっているのはやはりひっかかるなあ。それだけ料理しにくい人物やったということかな。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

天平の女帝 [読書全般]

 今日も汗だくでお仕事。遅れて持ってこられた書類をまとめて郵送したり、来週の授業準備をしたり、面接練習をしたり。定時に退散。
 帰路、妻との連絡にLINEを使用。スタンプを使おうと思うたけれどやり方がようわからんので、テキストを送信。帰宅してから妻を目の前にしてスタンプの送り合いをする。50代半ばでのスマホデビューやからね。なかなか思うようにはいかんもんですなあ。
 もっともLINEで連絡を取り合う相手は妻か友人Y氏くらいしかいてへんのですけどね。
 夜はナイター中継を見る。まあ、つまりなんです、タイガースは3連敗。先発投手のやりくりに困っている相手が出してきた谷間の投手にやられてるんやから、どうなってるんだか。
 玉岡かおる「天平の女帝 孝謙称徳 皇王の遺し文」(新潮文庫)読了。歴史書では奈良時代末期に道鏡とともに政治を乱したとされる孝謙天皇(重祚して称徳天皇)と、道鏡の帝位を阻止した女官和気広虫を主人公にした物語。物語は女帝の崩御で追放されていた広虫が許されて都に戻るところから始まる。実は広虫は女帝の最大の理解者で、その死後に藤原永手、藤原百川らによって女帝の目指した男女ともに活躍できる朝廷という理想が崩されていく様子が描かれる。女帝は広虫の回想として登場し、その治世がどのようなものだったかが語られる。
 通説を覆し、現代に通じる男女平等の社会を作ろうとした女帝の孤独、そして歴史の流れに押し流されながら自立した生き方を進む女官たちの姿が生き生きと描かれる。女帝の理想があまりにも現代風なのには違和感を覚えなくもないけれど、奈良時代という権謀術数の時代を描き切っているところに意義があると思う。特に女帝と道鏡の関係、和気広虫と清麻呂の姉弟の関係や、都に住む隼人たちの描写などは、おそらくこれまでにはない視点からなされたもので、男性社会に呑みこまれつつもそれにあらがう姿に悲壮感はなく、常に前向きというあたり、非常に面白かった。ドラマや映画のモチーフになることのあまりない時代だけにとっつきにくい人もいてると思うけれど、実は奈良時代は非常にドラマチックなので、もっとこの時代を舞台にした小説が書かれたらええのになあと思うた次第。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

走れメロス [読書全般]

 朝食をとりながらNHKEテレ「100分de名著」を見る。番組開始からずっと欠かさず見ているのです。そのせいで読みたくなったものもあるしね。今月は夏休みの中高生向けに週替わりで「星の王子さま」「ソロモンの指環」「走れメロス」「百人一首」を読み解く。
 今週は「走れメロス」。中学時代に教科書で読んだ時は王様が悪者で困った奴というような読み方をしていたはず。メロスとセリヌンティウスの友情物語、てなとらえ方やったんでしょうか。
 それ以来一度も読み返したことはなかったけれど、今日の番組を見てびっくり。これは王様が主人公の話なのだ、というのですね。国王として庶民を見た時に、その醜い面を見て人間不信に陥った王様が、メロスという若者のおかげで人間不信を解くという話なのだ、と。
 これを見て宿題の感想文を書く中高生に対して、国語の先生はどう反応するのかねえ。それはそれで想像するとおもしろい。
 それよりも驚かされたのはメロスです。とんでもない奴です。自分とは直接関係ない王の暴虐に激怒し、あろうことか暗殺をたくらみ、妹の結婚式に出んならんなどとわがままを言いだし、自分の身代りに親友を人質に差し出す。妹の結婚式に出て宴席で楽しんでいたら、その親友のことなど忘れてしまう。まあなんとか時間までに帰還してまるくおさまるわけですが。それにしても困った人ですよ、メロス君。
 いやあ、どう見ても王様の方が人間としてまともやなあ。人間不信に陥り、人を裏切った者を次々と処刑する。確かにやり過ぎではあるけれど、権力者としては私欲のために恐怖政治をしいているというわけやないもんね。
 今度また時間を作って学校図書館で「走れメロス」をちゃんと読みなおしてみよう。
 本日はまた猛暑。しかもけっこうみっちりと仕事があり、盆休みの間に休めた体を逆に酷使する羽目になってしまいました。ああしんどかった。
 まあ夜はタイガースがきっちりと勝ちパターンを守って連敗を止めたからよしとしましょう。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:
前の10件 | - 読書全般 ブログトップ