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朝日ぎらい [読書全般]

 今日も猛暑。朝から汗だく。お山の学校の近辺では朝8時からクマゼミがしゃあしゃあしゃあしゃあしゃあしゃあしゃあしゃあしゃあしゃあしゃあしゃあしゃあしゃあとやかましいことこの上ない。そして昼過ぎに奨学金関係のご用で郵便局に行ったら、同じ場所で今度はアブラゼミがじーじーじーじーじーじーじーじーじーじーじーじーじーじーじーじーと暑苦しいことこの上ない。
 まだ祇園祭山鉾巡行前でっせ。天神祭にもまだまだ間がありまんのやで。
 というわけで、ひとつ仕事をこなすたびにへたっております。能率が悪い。電気代や設置費、維持費をケチって職員を熱中症の危険にさらすブラック府教委に対抗するには定時に帰る以外なし。
 帰宅後、相撲中継を録画で見る。鶴竜は2連敗。またもとの鶴竜に戻ったかな。
 そのあとプロ野球「フレッシュオールスター戦」を追っかけ再生で見る。若い選手たちが全力でアピールする姿は見ていて気持ちいいなあ。われらがタイガースの馬場投手はファイターズ清宮選手を三振に取り、望月投手は力勝負でレフトフライに打ち取った。島田選手は盗塁を決め、熊谷選手もヒットを放った。しばらく野球に飢えてたから、楽しくて仕方ない。
 橘玲「朝日ぎらい」(朝日新書)読了。朝日新聞の悪口をかきたてた本、やないです。朝日新聞を嫌う層というのはどういう人たちかというところを出発点に、リベラルとは何か、保守とは何か、ネトウヨとはなにか、自由主義者とは、功利主義者とは……。多くの文献から階級社会の仕組みを導き出し、それぞれの階級を構成するものを分析していく。納得し切れないところがないではないけれど、ヘイトスピーチをする人たちがなんで「表現の自由」などを持ちだすダブルスタンダードをやるのかなど、これまで私がしっくりしないと感じていたことに対して一定の答えを出してくれていて興味深く読んだ。しかしまあなんです、「朝日ぎらい」というタイトルの本を朝日新聞出版が出すあたりが「朝日ぎらい」の人たちには「偽善者」とうつるんやろうなあ。

 7月15日(日)は、「たちよみの会」例会です。祇園祭宵々山ですが、やります。多数のご参加をお待ちしています。

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ノートル=ダム・ド・パリ [読書全般]

 朝から晴天。出勤するだけで汗だく。今日もサウナのような仕事部屋で首に濡れタオルを巻いて扇風機の風を当てつつ熱中症対策。ほんの数日前まで記録的豪雨やったとは信じられんくらい。一気に真夏です。
 午前中はすべて授業で埋まり、エネルギーを使い果たす。午後からは成績処理。エクセルにひたすら得点を打ちこむ。集中力があがり没頭してきたと思うたら、内線電話で中断というのが何度もあり、エンジンのかけ直しにまたエネルギーを使う。明日には成績つけがほぼ完了するめどがついたところで、定時に退出。
 帰路の車中で読書。ヴィクトル・ユゴー/辻昶・松下和則訳「ノートル=ダム・ド・パリ(下)」(岩波文庫)読了。以前NHKのEテレ「100分de名著」で紹介していたのを見て原作を読んでみたくなって上下巻そろえ、先月からずっと読んでいたのをやっとこさ読み終えたのであります。まあ途中で雑誌を読んだり休日はテレビ漬けで読書をさぼったりというところもあるけれど、一気読みするほど読みやすい本やなかったということかな。特に上巻。建築についてのユゴーの意見を延々読まされたり、中世のパリの街の構造を微に入り細を穿つように説明されたりと、ストーリーが一向に進まん。それがストーリー上欠くべからざる記述かというと、まあ知っておいた方が物語の舞台を理解しやすくなるという程度。それよりも冒頭に出てくる祭りの「らんちき法王」などの説明をしてよ。
 下巻に入ってやっと物語が進み、人間の抱える矛盾から起こる悲劇が語られることになる。ただ、物語としては「レ・ミゼラブル」の方が重層的でおもしろい。最初の長編ということもあってか、ストーリーは比較的単純なのですね。登場人物すべてが片思いのすれ違いということが悲劇を起こすことになるわけやけれど、人物造形がまだまだ類型的で、「醜い男の純愛」「ジプシーに育てられた少女の初恋」「禁欲的に生きてきた男の歪んだ愛情」「遊び人のうわべだけの誘惑」が錯綜するだけといえばそれまでなのですね。「100分de名著」でのストーリー紹介の方がずっとおもしろかった。
 まあ、小説に対する考え方など現在とはかなり違う時代に書かれたものなんで、そこのところは割引いて読んだ方がええと思う。青少年向けにリライトされたものがあれば、そちらを読むことをお勧めします。おそらく上巻の建築論みたいないささか退屈な部分はカットしているやろうからね。

 7月15日(日)は、「たちよみの会」例会です。祇園祭宵々山ですが、やります。多数のご参加をお待ちしています。

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鬼刑事 VS 殺人鬼 [読書全般]

 今日は月例の京都行き。発熱の様子など、この1ヶ月、特に先週の状況を問診で伝える。休める時はしっかり休むように、とまあ当然のようなことを言われた。他に言いようがないよね。
 駅前のショッピングモール内の書店で文庫や新書を何冊か購入し、すぐに帰宅。京都も本降り、帰阪して最寄駅に降りても本降り。甲子園は中止かなと思うたら、なんと1時間13分遅れで試合開始。天気予報とグラウンドの状態を見ての決行やったんやろうけれど、タイガースは今季雨中止の翌日は8勝1分。今日中止にしといて明日で連敗ストップ、なんて都合のいいことを考えていたんやけどなあ。強行し、大敗。確かに時間を追うごとに雨はやんでいったけどさあ。
 私は帰宅してから午睡。夢見はよくなく熟睡したという感じはないなあ。
 夜、ベランダで一服つけていたら、強めにとん、と揺れた。心臓に悪い。すぐに部屋に入り、妻とテレビを見て速報を確かめようと思うたら、なかなかテロップが出んのです。ほんまは地震やなかったんかいなと思うたくらい。やっと出たテロップで震度3程度とわかる。ほんま心臓に悪い。
 田中啓文「オニマル 異界犯罪捜査班 鬼刑事 VS 殺人鬼」(角川ホラー文庫)読了。シリーズ第3巻。前2巻で伏線として大きな事件が起こる前触れをはさんでいたけれど、本巻でその事件が起こる。鬼が刑事をしているから鬼刑事。それに対して連続殺人の殺人鬼はどうやらほんまに鬼らしい。そやから「鬼刑事 VS 殺人鬼」なんですね。地口というわけやないけれど、比喩で使われる言葉をそのまんま鬼対決にしてしまうという、田中さんらしい趣向(?)ではあります。今回は第1話の地口短編を除き、伝奇小説としても本道をいっていて、なかなか楽しめた。警視庁を何でわざわざ移転さしていたかもようやっとわかった。ようできた仕掛でしたね。で、これでシリーズは終わり、ではなくタイトルと設定を少し変えて新シリーズがもう始まっているのです。そちらもぼちぼちと読んでいきます。

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天満明星池 [読書全般]

 朝から平熱。今日から授業再開なので出勤。薬で発熱を抑えてたりしているのと、発熱した1日だけ休んで翌日仕事に行ったので体に少々無理をさせているのか、行きの車中むやみに眠い。
 なんとか明日の講演会の準備と会議だけは……と無理しているのをわかった上で今日もスローペースでお仕事。昼休みに仮眠したせいか帰宅時はかなり楽になっていた。
 今日は2回雨で流したバファローズ戦の中継をネットで見る。さすがに地上波もBSもテレビ中継がない。タイガース専門の動画サイト「虎テレ」では「お試し日」と銘打って無料で生中継が見られるようにしてくれました。ありがたいこっちゃ。引き分けたけれど、これで交流戦はなんとか終了。今日中止やったらオールスター戦前後に1試合予備日を作る予定やったそうな。よかったよかった。
 加瀬政広「なにわ人情謎解き帖 天満明星池」(双葉文庫)読了。幕末の大阪を舞台に、町奉行所の同心と盲目の若い梓巫女(霊媒をするのです)のコンビが心中事件や幽霊騒動、オランダ語通詞失踪事件、犬憑き事件、遺体焼失騒動などを次々と解決していく。本書が作者の第一単行本という新人やけれど、経歴はなんとアニメーター。しかも「忍たま乱太郎」の作画監督をつとめたりもしている人なのですね。小説推理新人賞で入選したということからわかるとおり、内容は本格推理。決して偶然に頼ったり権力にものを言わせて吐かせたり、なんてことはしないのです。そこらあたりが好感が持てる。ちょっとばかり無粋な同心鳳大吾と、盲目ながら明るい少女お駒のコンビネーションもいい感じ。江戸時代の大阪の情緒も古典落語さながら、と思うていたら、縄田一男さんの解説で「桂米朝さんの噺が好きです」という新人賞受賞時のコメントを引いている。道理で読んでて心地よいはずです。次巻もすでに文庫で発売されているので、引き続き読んでいこう。上方落語の人情がお好きな方も、本格推理のお好きな方もどちらさまにもお薦めします。

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モリアーティ [読書全般]

 昨晩は録画した野球をまるまる見てから寝た。というか、最後に逆転する9回表のところで入眠してしまい、明け方起きて見直してからまた寝るという、非常に不健康な寝方をしてしもうたのでした。
 午前中はそれでも何本か深夜アニメや「仮面ライダービルド」などを見て、午後からは「たちよみの会」例会へ。
 本日、参加者は私だけ。往路の快速特急で熟睡。「フランソア喫茶室」ではひたすら読書。「丸善」で文庫の新刊を少し買い、復路の特急でも仮眠。帰宅して録画していたプロ野球中継を見る。イーグルスの梨田監督が辞任し、選手たちがはりきってたところに若い才木投手が呑みこまれ、乾杯。悪い時に当たったなあ。
 アンソニー・ホロヴィッツ/駒月雅子・訳「モリアーティ」(角川文庫)読了。同じ作者の「絹の家」とともに「コナン・ドイル財団公認」が売り。本作ではライヘンバッハの滝でホームズとモリアーティが死んだ(と思われた)直後、スコットランド・ヤードのアセルニー・ジョーンズ警部とピンカートン探偵社のフレデリック・チョイスが協力してロンドンに根を張ろうとしているアメリカの悪党を倒そうとするという話。途中でだいたい作者の仕掛けはわかってしもうた。ジョーンズ警部を主役格に置いているのも、なんか違うような気がする。つまらないわけやないけれど、ドイルっぽくないのね。まあ「絹の家」もそうやったから、そんなに大きな期待はしてへんだけどね。
 ホームズ愛が足りんのやないかなあ。正直、これやったら北原尚彦さんのパスティーシュの方が数段上やと思う。北原さんも財団に公認してもろたらどないですか。

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パンツが見える。 [読書全般]

 朝からどんより。お山の学校近辺は降ったりやんだり。体が重うございました。
 午前中は事務作業。人権講演会の役割分担の作成や、奨学金のネット入力マニュアル作成など。午後からお山を降りて市民ホールに行く。講演会の打ち合わせをする。人権担当になって3年目。ホールの係の方との打ち合わせは人権映画鑑賞会を含めて5回目。担当の方たちとも顔なじみになり、さくさくと話が進み、予定より早く終わる。というても、お山に行くバスは1時間に1本。延々バス待ち。結局30分ほどの打ち合わせのために往路は50分、復路は1時間半を費やしたことになる。初めて担当を引き受けた年、往復の時間がかかり過ぎて無駄なので、打ち合わせの日だけは単車で出勤したいと当時の管理職に申し出たら、そんな理由では許可でけんといわれた。バス待ちの50分間の間にどれだけ仕事を進められるか。2年前はいらついたものですが、今では読書の時間が取れると割り切っております。
 ホールに行ってる間も降らなんだし、帰宅時も降ってなんだのに、帰りのバスで駅まで行く途中で本降りに。置き傘は持たずに帰ったので、大阪市内では降ってへんことを祈っていたけれど、地下鉄の駅を出たらかなりしっかり降っている。駅のそばのコンビニで傘を買う。こうやって傘は増えていくのです。
 甲子園でも降雨。タイガースの試合は中止に。今日は読売テレビでの放送で、2時間くらいしか中継がなかったから、まあええか。
 井上章一「パンツが見える。 羞恥心の現代史」(新潮文庫)読了。カバー画は手塚先生の「不思議なメルモ」。メルモちゃんが大人になって短いスカートからパンツが見える場面を使用。このカバーだけで買うたようなところもなくはなし。いやいや内容も非常に面白かった。男性が「パンチラ」にときめくようになったのは高度経済成長期以降のことで、それ以前はスカートの下のパンツに対する意識は現在のものと全く違うていた、ということを戦前から戦後にかけて調べ上げる。「白木屋ズロース伝説」の誤りを正し、ズロースからパンティーへの移行を検証し、「羞恥心」の正体について解き明かす。小説に出てくる描写も参考にしながら進める推理は、こういった風俗史の一次資料が少ないのを補うて余りある。「常識」とは何か、「伝統」とは何かということについていろいろと考えさせられる一冊でありました。

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あやかし行灯 [読書全般]

 近畿は梅雨入り。一日だらだらと雨。気温はそれほど高くないけれど、とにかく蒸す。湿度の高さで相当体力消耗してる感じですね。
 今日から懇談週間で午後からの授業はカット。遅れ気味やった事務作業をひたすらやるけれど、とにかくまあエンジンのかかりが悪くギアが上がらん。
 それでも時間いっぱいまでかけて予定の作業は終了。明日は時間割変更の関係で授業はなし。徹底的に事務作業をやるぞう。とにかく奨学金最優先です。
 いつもの時間に帰宅。今日は甲子園の試合は雨中止。録画した番組を何本か見る。
 霜島けい「あやかし行灯 九十九字ふしぎ屋商い中」(光文社時代小説文庫)読了。シリーズ第4巻。評判がいいのでしょう、ここまで明らかにされてなんだ九十九字屋主人の冬吾がなんで「ふしぎ屋」商売をしているかなどの背景が語られ、彼の過去に関係ある新たな登場人物も出てきて、本格的にシリーズとして続けていくという展開になってきた。むろん、作者らしくあやかしの描写なども楽しめるし、かどわかしにあった女の子を助ける第一話や、行灯にとりついた父親の霊と残された家族を描く表題作など、人情話という側面とミステリ的な趣向がうまくとけあっていて、今回も楽しく読めた。さて、次巻以降、どこまで世界観を掘り下げられるかが楽しみになってきた。

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黒いカーテン [読書全般]

 愛すれどTigers「鳥谷の連続試合出場記録ストップ!」を更新しました。

 朝からなんとなくぼんやり。急に暑くなったんで、体がついていってへんのかな。風邪薬を呑んでから出ようと思うていたのに、呑むのを忘れてしまうというくらいぼんやりしておりました。
 幸い、事故に遭うというようなこともなく、無事仕事をこなし、定時に帰宅といいたいところやけれど、一日授業の詰まってる日やから、放課後もあれこれと事務作業をしている間に定時を過ぎておりました。
 ここのところ車中では雑誌を読んだりすることが多かったけれど、今日はウィリアム・アイリッシュ/宇野利泰・訳「黒いカーテン」(創元推理文庫)をやっと読了。ほんまやったら一気読みできる本やけれど、間に雑誌を読んだりしてて時間をかけてしもうた。品切れ本の復刊。カバーと解説だけが新しく、本文の版組も昔のまま。最近のでかい字の文庫を読みなれているから、昔の小さい字の版組は読みにくくなっているなあ。以前「幻の女」や「暁の死線」が復刊された時にアイリッシュを続けて読み、「黒いカーテン」も復刊されんかなあ、できたら新訳でと思うていたのです。新訳ではなかったけれど、復刊されたのはありがたい。3年間の記憶喪失から記憶を取り戻した男。ところがその3年間の記憶がない。どうやら自分を追いかけてくる男がいるらしい。空白の3年間、自分は何をしていたのか。妻を実家に避難させ、その失われた時間を取り戻すべく、主人公は動き始める。
 スリルとサスペンスというのはアイリッシュの小説にこそふさわしい。ちょっとばかりご都合主義的なところがないではないけれど、たて続けに先の読めない物語を書き続けていたというのはやはりすごいことです。訳文がいささか古臭いけれど、代表作の一つに数えられるだけのことはある。この調子で「黒衣の花嫁」なども復刊していただきたいものです。
 帰宅したあとは録画したままたまっていた「題名のない音楽会」や「カウボーイ・ビバップ」などを見る。まだまだ手つかずの仕事がたまっています。明日もしぼりかすになって帰宅することになるのかな。

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狐笛のかなた [読書全般]

 一日雨。しかも弱いのがだらだら一日降り続く。湿度は高く気圧は低い。こういう日が一番しんどい。そやけど仕事を休んでええというわけやない。出勤したところでああやれやれほっこり。午前中は試験監督と事務作業。午後からは教員向けの校内研修の支度、そして本番。帰宅したらさらにやれやれほっこり。
 研修はLGBTに関する生徒指導について。現職でトランスジェンダーの教員の方を呼んで、御自分の体験や御自身がどのように生徒と接しているかなどを語ってもらいながら、指導のキモを伝授していただく。実は前任校の同僚。お山の学校の先生方はどのように聞いていただいたやろうか。
 タイガースの試合は雨天中止。帰宅後、相撲をゆっくりと録画で見る。栃ノ心は11連勝。勢いがついてきた。強い。明日の白鵬戦が楽しみ。今日までの相撲を見ていたら、圧倒的に栃ノ心有利と見るけれど、勝負事は実際にやってみんとわからんからね。明日勝てば、全勝優勝の可能性が高くなるんやないか。今の栃ノ心に白鵬が勝つには封印しているエルボースマッシュを決めるしかなかろうけれど、それをしたら白鵬は完全にヒールになるやろうなあ。
 上橋菜穂子「狐笛のかなた」(新潮文庫)読了。長編シリーズではなく、1冊のみで完結している。上橋さんの作品で初めて文庫化された作品。呪師の娘と別の呪師に使い間にされている狐の切ない愛の物語に、領主の後継者問題がからむ。日本風の舞台設定なんやけれど、異国っぽくもある。そこらあたりの描き方はさすがにうまい。解説によると本作が書かれた時点でもう「守り人」シリーズは佳境に入っていたようで、あの大作と並行して別な世界観の物語を書いてはったわけですね。なかなかできることやないですよ。
 本作には「守り人」のジグロや「鹿の王」のヴァンみたいな「漢」は出てこんのも、興味深い。呪師にあやつられながらも、本来なら殺すべき娘を愛し、自らの命を削っても自分を操る呪師に逆らうけなげさが見どころか。
 ただ、話のもっていきようなどは他のシリーズ作品と似通ってしまうあたり、上橋さんの弱点かもしれんね。物語が降りてくるタイプの書き手であるようなので、小細工しないで書くとそうなってしまう。各作品ともテーマは多彩なだけに、展開のさせ方にもバリエーションがあれば、なんていうのは贅沢ですか。

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迷路の少女 [読書全般]

 今日は「たちよみの会」。行楽日和とあって京都はなかなかの人出。暑すぎもせず、風が吹くと涼しい。これですよ、初夏の気候というのは。妙に蒸したり、真夏日が続いたり、ここまで初夏らしくなかったもんねえ。
 そんな日に私は「フランソア喫茶室」で3時間本を読みながら誰か来てくれるのを待っていたのでした。本日は私一人。丸善に行って、文庫の新刊を何冊か買う。
 早めに帰宅して、録画した相撲中継を見る。栃ノ心が8連勝。逸ノ城といつもながらがっぷり四つの力相撲。十両に落ちていた時から、逸ノ城戦は好取組やったもんね。両横綱が1敗で追う展開。優勝争いはそろそろこの3名に絞られてきたかな。
 シッゲ・エクランド/北野寿美枝・訳「迷路の少女」(ハヤカワ文庫NV)読了。敏腕編集者とカウンセラーの夫妻の一人娘が行方不明になる。この事件にからみ、両親とその周辺の人間関係が少しずつあらわになり、それぞれの抱えている病理が見えてくる。レーベルも「NV」で、本書はミステリではない。ミステリ風味の人間模様という小説なのです。したがって、娘の失踪や、その結果起こる事件の真相がくっきりと描かれるということではなく、登場人物たちの人としてのゆがみをクールに見つめましょう、という読み方をすべきなんでしょうね。ただ、展開が展開だけに、やはり事件の真相はある程度はっきりさせてほしかったなあという感じか。なんかもやもやとした思いが読後に残ってしまいました。これで何冊か読んできた翻訳の心理ミステリ小説は一段落です。ルメートルをまとめて読んだ時のように、なんか「嫌~ん」なものをまとめて読みたくなる時が間歇泉のようにあるのですね、私。

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